- LP制作会社のタイプ別の違いと、自社に合う選び方がわかる
- 比較すべき5つのポイントと、相見積もりでそのまま使える10項目のチェック表がわかる
- 価格帯ごとに「何が含まれ、何が含まれないか」と、制作会社に頼むメリット・デメリットがわかる
- 発注前に自社で決めておくべき5項目がわかり、失敗の確率を下げられる
「LP制作会社を探しているが、どこも同じに見える。実績ページを見ても、きれいなデザインが並んでいるだけで判断できない」——制作会社選びの典型的な行き詰まりです。
実は「きれいなLPを作れる会社」はたくさんあります。少ないのは「成果の出るLPを作れて、それを証明できる会社」です。見分け方には明確なチェックポイントがあります。
この記事では、中小企業のLP制作・改善を支援しているマーケティングの専門家として、LP制作会社のタイプ・選び方・面談で聞くべき質問を解説します。特定の会社名は挙げず、どんな会社を前にしても自分で判断できる「ものさし」を渡すことに集中します。
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LP制作会社には3つのタイプがある
| タイプ | 強み | 費用感 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| デザイン特化型 | ビジュアルの質・世界観 | 20〜50万円 | 構成・コピーは自社で用意できる |
| マーケティング型 | 構成・コピー・改善まで一貫 | 30〜80万円 | 成果までの設計を任せたい |
| 広告代理店系 | 広告運用とLPの一体運営 | 制作費+運用手数料 | 広告とセットで回したい |
最初の分岐は「デザインを買うのか、成果までの設計を買うのか」です。ここが曖昧なまま探すと、比較の軸がないまま営業トークで決めることになります。
フリーランス・クラウドソーシングと制作会社の違い
3タイプとは別に「個人に頼むか、会社に頼むか」の分岐もあります。
- フリーランス:10〜30万円が中心。1人で完結するため意思決定が速い反面、得意領域が偏りやすく(デザインは強いがコピーは書けない等)、稼働状況で納期が動きます
- クラウドソーシング:さらに安価ですが品質のばらつきが大きく、要件を文章だけで正確に伝える力が発注側に求められます。実装だけ頼みたい人向けです
- 制作会社:体制が組まれているぶん進行が安定し、担当者が変わっても会社として責任を持ちます。費用は上がります
判断基準は「構成・コピーを自社で担えるか」の一点です。担えるなら個人への依頼は合理的、担えないなら構成工程を持つ制作会社が基本線です。自作まで含めた比較は『LPの自作方法』で解説しています。
依頼前に社内で決めておく5項目
正直な話として、順序の話をさせてください。LPの成果を最も左右するのは、実は制作会社の腕ではなく、発注者が渡す情報の質です。誰に売るのか・何が強みなのか・どんなオファーを出すのか——ここが曖昧なままだと、どんな上手い会社に頼んでも「きれいなだけのLP」になります。次の5項目を先に決めておけば、面談の時間を「自社の説明」ではなく「会社の見極め」に使えます。
1. 目的とCV(成果)の定義
問い合わせ・資料請求・予約・購入——「何を1件と数えるか」と「1件にいくらまで払えるか」を決めます。営業部門は商談化を、Web担当はフォーム送信を成果と考えている、という社内のズレもここで揃えます(→『コンバージョンとは?』)。
2. 予算(制作費+公開後の改善費)
制作費で予算を使い切らず、公開後3ヶ月程度の改善と広告テストの費用を別枠で確保します。予算を伏せると各社の提案範囲が定まらず見積もりが揃わないので、「上限はこの金額で、何ができますか」と聞くのが結局早いです。
3. 納期(使う日から逆算する)
広告開始日やキャンペーンなど「いつ使うか」から逆算します。標準的な制作期間は2週間〜1.5ヶ月で、社内の確認時間も含まれます。急ぐ場合は「削れる工程・削ってはいけない工程」を制作会社と先に合意してください。
4. 参考LP(「好き」ではなく「なぜ良いか」)
参考LPを2〜3本用意し、「この順番で説明されていて分かりやすい」「このオファーの出し方が自社にも合う」と理由を言語化します。好みだけを伝えると、見た目は似ているが売れないLPになります。競合のLPも渡すと「どこで差をつけるか」を考えやすくなります。
5. 依頼範囲(どこまで任せるか)
構成/コピー/デザイン/コーディング/撮影・素材/計測設定/広告運用/公開後の改善——この8工程のどこを外注するかを決めます。ここが決まっていないと見積もりの前提が会社ごとに違い、金額を並べても比較になりません。整理の手順は『LP制作の依頼前に準備すべきもの』にまとめています。30分の整理が、数十万円の投資の成否を分けます。
LP制作会社の選び方:5つの比較ポイント
1. 実績を「デザイン」ではなく「数字」で見る
実績ページの見た目に惑わされず、「そのLPでCVR(問い合わせ率)はどうなったか」を聞いてください。数字で答えられる会社は、公開後まで見ている証拠です。守秘義務で細かい数字が出せなくても、「改善幅の目安」くらいは語れるはずです。
2. 構成・コピーの工程が含まれているか
LPの成果は見た目より構成とコピーで決まります。「原稿はお客様支給」の会社に頼むなら、成果の根幹を自社で担う覚悟が必要です。ヒアリング・競合調査・構成設計が見積もりに入っているかを確認してください。
3. 料金の明細が出るか
「LP制作一式 40万円」では比較できません。構成・デザイン・実装・修正回数・計測設定の内訳を出してもらいましょう。明細を渋る会社は、工程も曖昧なことが多いです。相場観は『LP制作費用の相場』で先に掴んでおくと、見積もりの妥当性を自分で判断できます。
4. 公開後の改善に関与するか
LPは公開してからが本番です。計測設定・初月のデータ確認・改善提案までやるのか、納品で終わりなのか。「作りっぱなし」前提の会社なら、改善は誰が担うのかを発注前に決めておく必要があります。
5. 実際の担当者と話せるか
営業と制作が分業の会社では、契約後に「話が違う」が起きがちです。契約前に、構成を考える担当者と直接話す機会をもらってください。自社の商売への質問が鋭い担当者は、良いLPを作ります。
目的別・LP制作会社の選び方4パターン
「良い会社」は一つではなく、何を最優先するかで向く会社も確認質問も変わります。
1. 成果(CV)重視型:リード獲得が最優先
向く会社:構成・コピーを自社工程として持つマーケティング型。実績をCVRやCPA(1件あたり獲得コスト)で語れ、ヒアリングでは商品より「顧客」について聞いてきます。
確認質問:「CVRの目標値をどう置きますか。根拠は?」「公開後1ヶ月で、何の数字を見て何を直しますか?」
2. スピード重視型:短期間で公開したい
向く会社:テンプレートと制作フローが型になっていて、最短納期とその条件(素材支給・原稿支給・確認回数)を最初に明示できる会社。条件を言わない「最短○日」は実際には延びます。
確認質問:「最短納期の条件は何ですか」「急ぐことで削られる工程はどこですか」。構成の合意と公開前のフォームテストだけは省かない会社を選んでください。
3. 業界特化型:同業界の実績を重視
向く会社:同業界の実績が複数あり、業界の広告表現の制約(医療・美容・士業・金融などは規制が厳しい)を把握している会社。立ち上がりは速い反面、同業他社と似た構成になりやすい点は注意が必要です。
確認質問:「同業界で、うまくいった訴求と失敗した訴求は?」「競合と差をつける工程はどこにありますか」
4. 運用伴走型:広告運用・ABテストまで任せたい
向く会社:LP制作と広告運用・ABテストを同じチームが担い、月額契約で改善サイクルを回す会社。制作費は「初期費用」で、本体は月額側にあります。
確認質問:「月額に何が含まれますか(分析・改善案・実装・レポート)」「改善の判断は何のデータで、どの頻度で行いますか」
伴走型は「全部を代行してもらう」形だけではありません。私たちが支援した組織づくりコンサルティング会社では、実装と意思決定は社内のまま、分析と改善原稿だけを外部が巻き取る分担で、LP改善のPDCAが2ヶ月以上から1ヶ月以内に短縮されました(→『導入事例:LP改善のPDCAが2ヶ月→1ヶ月に短縮』)。ABテストと広告連携の考え方は『LPのABテストのやり方』『LPと広告の連携』を参照してください。
LP制作の費用相場と見積もりの読み方
相場の詳細と費用を抑える方法は『LP制作費用の相場』にまとめているので、ここでは価格帯ごとに何が含まれ、何が含まれないかだけを要約します。金額の差は、ほぼ工程の差です。
| 価格帯 | 主な依頼先 | 含まれることが多い | 含まれないことが多い |
|---|---|---|---|
| 〜10万円 | 自作ツール・格安テンプレート | テンプレートへの流し込み・簡易な実装 | 構成・コピー・計測設定・公開後の改善(成果の根幹は自社が担う前提) |
| 10〜30万円 | フリーランス・小規模事業者 | デザイン・コーディング・スマホ対応 | 構成・コピーは支給前提が多い。改善は別 |
| 30〜60万円 | LP専門・中小の制作会社 | ヒアリング・競合調査・構成・コピー・デザイン・実装 | 撮影・広告運用・公開後の継続改善(オプションや月額) |
| 60万円〜 | 大手制作会社・広告代理店(60〜150万円) | 戦略設計・撮影・ブランド要件対応・LPO・広告との連動 | 広告運用は別途手数料になることが多い |
10万円のLPと60万円のLPの違いは、多くの場合「戦略・構成・コピー」と「公開後」の工程の有無です。見積もりを読む時は、①「一式」を構成・デザイン・実装・修正・計測に分解させる、②修正回数と「修正の定義」(構成変更は含むか)を確認する、③保守・改善提案など公開後の費用を月額で聞く——この3点を押さえてください。追加費用の三大要因は、修正回数の超過・素材の追加撮影・公開後の文言変更です。
制作の流れと期間の目安
LP制作は、目的設定→ターゲット整理→構成→ライティング→デザイン→実装・計測→公開・改善の7ステップで進み、期間の目安は2週間〜1.5ヶ月(撮影が入る・商材が複雑なら2ヶ月前後)です。手を動かす前の「決める工程」が全体の3割近くを占め、遅れる原因の多くは制作側ではなく発注側の確認待ちです。
会社選びの観点では、「構成段階で発注者の合意を取る工程があるか」「公開前に実機でフォームをテストするか」の2点を確認してください。省く会社は、デザイン完成後の大幅な手戻りや、フォームが動かないまま広告費を使う事故を招きます。各工程の準備は『LP制作の流れ|企画から公開までの手順と準備』で解説しています。
制作会社に依頼するメリット・デメリット
メリット
- 成果の出る「型」を持っている:構成・コピー・ファーストビューの設計に経験からくる型があり、試行錯誤を省けます
- 進行が安定する:ディレクター・デザイナー・コーダーの分業で1人の稼働に左右されにくく、会社として責任を持ちます
- 広告・計測・改善まで一貫できる:対応範囲の広い会社なら、広告のデータがそのままLP改善に直結します
- 社内リソースを本業に回せる:段取り・素材整理・実装確認の工数を減らせます
デメリット(正直に書きます)
- ノウハウが社内に残らない:「なぜこの構成・このコピーなのか」を説明してもらい記録しないと、次のLPも改善も外注前提になります。将来内製したいなら、判断の理由を渡してくれる会社を選んでください(→『マーケティング内製化の進め方』)
- 修正回数・期間に制限がある:「修正2回まで」等は普通です。回数だけでなく「何が修正に含まれるか」を契約前に確認しないと、想定外の請求になります
- 公開後の改善が別料金:納品後の文言変更・ABテスト・改善提案は月額や都度見積もりの会社が多く、制作費だけで予算を組むと公開後に手が打てなくなります
- 商材理解が浅いまま進むリスク:ヒアリングが浅い会社に頼むと一般論のLPになります。ただし発注側が営業現場の「よく聞かれる質問」「決め手になった一言」を渡さないと、どんな会社でも深い訴求は書けません
デメリットの大半は「制作会社が悪い」から起きるのではなく、契約前に確認していないから起きます。後述のチェックリスト10項目で、契約前に潰しておけるものばかりです。
LP制作会社選びでよくある失敗3つ
失敗1. デザインの好みで選ぶ
実績ページの見栄えで選ぶと「きれいだが売れないLP」になります。LPの成果は構成とコピーで決まり、デザインはそれを伝わりやすくする手段です。実績は「どのLPで、CVRがどう変わったか」で聞いてください。
失敗2. 最安値で選ぶ
安いLPは「構成・コピーを発注者が担う」前提で成り立っています。担えないのに安さで選ぶと、成果が出ずに作り直すことになり、結局いちばん高くつきます。見積もりを揃える時は、金額ではなく「含まれる工程」を横並びにしてください。
失敗3. 公開後の改善体制を確認しない
納品で終わりの会社に頼むなら、公開後の改善は「誰が・何のデータを見て・いくらで」担うのかを発注前に決めておく必要があります。改善予算をゼロで組むと、成果が出なかった時に打つ手がありません(→『LP公開後の運用と改善』)。
相見積もりで使えるチェックリスト(10項目)
面談で聞くべき質問と見積書で確認すべき項目を10項目にまとめました。候補3社に同じ表で聞くと、比較の軸が揃います。
| # | 確認項目 | 面談での聞き方 | 良い会社の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 実績を数字で語れるか | 「CVRが良かった事例と悪かった事例を教えてください」 | 社名を伏せても改善幅を語れる。失敗例も話せる |
| 2 | 構成・コピーの工程 | 「原稿・構成はどちらが作りますか?」 | ヒアリング・競合調査・構成設計が見積もりに明記 |
| 3 | 進め方の具体性 | 「このLPの目的とターゲットを、どう設計しますか?」 | 自社の商売について具体的な質問が返ってくる |
| 4 | 料金の明細 | 「一式の内訳を出してもらえますか?」 | 構成・デザイン・実装・修正・計測が分かれている |
| 5 | 修正の範囲 | 「修正は何回まで・どこまで含まれますか?」 | 回数と「修正の定義」が契約書にある |
| 6 | 公開後の関与 | 「公開後、最初の1ヶ月は何をしますか?」 | 計測確認・改善提案の内容と費用を答えられる |
| 7 | 計測設定 | 「GA4・広告タグ・ヒートマップの設定は含まれますか?」 | 含まれる、または別費用として明示される |
| 8 | 担当者 | 「契約後に構成を考える方と、今日話せますか?」 | 営業ではなく実務担当者と直接話せる |
| 9 | 業界・商材の理解 | 「同業界の実績と、表現規制の確認方法は?」 | 規制や商習慣を踏まえた回答が返ってくる |
| 10 | 納期と条件 | 「最短納期と、その条件は?」 | 素材支給・回答期限など発注側の条件も明示される |
10項目すべてで満点の会社はまずありません。自社の「目的」と「依頼範囲」に照らして、外せない項目を3つ決めてから比較してください(成果重視なら1・2・6、スピード重視なら5・8・10など)。LPそのものの公開前点検は『LP改善チェックリスト』にまとめています。
LP制作会社選びについてのよくある質問
- 地方の会社ですが、東京の制作会社に頼んでも大丈夫ですか?
-
問題ありません。LP制作はオンライン完結が主流です。所在地より「自社の業種・商圏を理解しようとするか」で選んでください。地域ビジネスの場合は、地方案件の実績がある会社の方が話が早いことはあります。
- 実績が非公開の会社は避けるべきですか?
-
守秘義務で公開できないケースは普通にあるので、非公開自体は減点材料ではありません。面談で(社名を伏せた形で)事例の中身と数字を語れるかで判断してください。
- フリーランスと制作会社、どちらが良いですか?
-
構成を自社で描けるならフリーランス(機動的・安価)、成果までの設計を任せたいならマーケティング型の制作会社が基本線です。フリーランスの場合は、その人の得意領域(デザインなのか、コピーなのか)を必ず確認してください。
- フリーランスに頼むリスクは何ですか?
-
得意領域の偏り、稼働状況で納期が動くこと、体調不良や廃業時に引き継ぎ先がないことの3つです。契約前に「構成・コピーまで担当した案件」をポートフォリオで確認し、デザインデータやソースを自社で受け取れる契約にしておくと、万一の時に別の人へ引き継げます。
- 広告運用込みのプランはお得ですか?
-
「LPと広告を同じチームが見る」体制は、データがLP改善に直結するため合理的です。ただし運用力は会社によって差が大きいので、制作と運用それぞれの実績を別々に確認してください。運用側の相場は『広告運用代行の費用相場』で解説しています。
- 広告運用も一緒に頼むべきですか?
-
流入を広告に頼る計画で、社内に運用担当がいないなら、同じ会社に頼む価値は高いです。データがLP改善に直結し、「LPが悪いのか広告が悪いのか」の責任の切り分けで揉めません。すでに運用会社がいる、または少額でまず検証したい場合は無理にまとめず、制作会社に「運用会社と計測やデータ共有をどう連携しますか」と聞いておくと公開後がスムーズです。
- LP制作の期間はどのくらいかかりますか?
-
一般的に2週間〜1.5ヶ月が目安で、撮影が入る場合や商材が複雑な場合は2ヶ月前後になることもあります。発注側の確認時間も含まれるため、素材が揃っていて意思決定が速いほど短くなります。急ぐなら、事前準備と社内の確認窓口の一本化が最も効きます。
まとめ
この記事の要点を整理します。
- LP制作会社は3タイプ。「デザインを買うのか、成果までの設計を買うのか」を先に決める。個人か会社かは「構成・コピーを自社で担えるか」で判断
- 依頼前に社内で決める5項目:目的とCVの定義・予算(改善費込み)・納期・参考LPの「なぜ良いか」・依頼範囲
- 比較5点:数字で語れる実績・構成工程・料金明細・公開後の関与・担当者との直接対話
- 費用は金額でなく「含まれる工程」で比較。デザインの好み・最安値・改善体制の未確認が三大失敗
- 相見積もりは10項目のチェック表で3社を同じ軸に揃える
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