結論から書きます。業者に任せても、規程に触れる部分は先生自身の問題として残ります。大阪司法書士会と名古屋税理士会の規程が、規程に抵触する第三者の表示行為への協力や関与を禁じているからです。
- 「業者がやったこと」がなぜ自分の問題になるのか
- 受けてはいけない提案と、その根拠
- 任せてよい範囲と、契約前に確認すること
MEO業者がすべて問題だという話ではありません。料金の考え方はMEO対策の費用相場で扱っています。士業事務所だけに効く制約があり、そこに触れる提案を見分ける必要がある、という話です。規程と法令、Googleのポリシーは公的な資料で確認しました(2026年9月16日時点)。規程の内容は会ごとに異なるため、所属会でご確認ください。
なぜ業者がやったことで自分が問われるのか
広告の規程に、第三者への協力を禁じる条文が置かれているためです。
大阪司法書士会の広告に関する規則5条は、会員は、第三者が司法書士の業務に関して行う情報の伝達又は表示行為で、会員が行ったとすればこの規則に抵触するものに対し、金銭その他の利益を供与し、又は協力してはならない、と定めています。
名古屋税理士会の業務の広告に関する細則6条にも同じ構造の条文があります。会員は、第三者が税理士の業務に関して行う情報の開示行為でこの細則に抵触するものに対し、金銭その他の利益を供与し、又は関与してはならない、という内容です(同会綱紀監察部の綱紀のしおり 四訂版所収)。
自分が書いたかどうかではありません。自分が行ったとすれば規則に触れる内容を、第三者が行うときに、金銭を払ったり協力したりすることが禁じられています。規程に抵触する表示への費用負担や協力は、これらの条文の対象になり得ます。
社会保険労務士と行政書士については、今回確認した範囲で同じ形の条文は見当たりませんでした。ただし広告に関する定めそのものはあります。全国社会保険労務士会連合会の会則43条の4は、誇大もしくは虚偽の事項により相手方を欺くおそれがある方法での広告や宣伝を禁じています。行政書士職務基本規則17条も、事実に合致しない内容、誤認または誤導のおそれのある内容、誇大な広告宣伝を禁じています。業者が作る文面であっても、自分の名前で世に出るものです。
受けてはいけない提案
提案の内容ごとに、Googleのポリシー側と士業の規程側の両方から見ます。片方だけを見ていると判断を誤ります。
| 提案 | Googleのポリシー | 士業の規程 |
|---|---|---|
| 口コミを代行して投稿する | 本人の体験に基づかない投稿は認められない | 会員が行えば規則に触れる表示を第三者が行うことへの協力に当たり得る |
| 依頼者名や取扱事案を実績として載せる | 本人の同意のない個人情報の投稿には制限がある | 依頼者の表示と取扱案件の表示を、書面や文書による同意がある場合を除き禁じる規程がある |
| 星と引き換えに割引や特典を出す | クチコミと引き換えの見返りは禁止 | 広告の対象者へ社会的儀礼の範囲を超えた有価物等を供与する広告を禁じる規程がある |
| 上位表示を保証する | サードパーティポリシーが禁止例に挙げている | 業者自身の営業表示なので、士業の広告規程で判断するものではない |
| Google公認だと名乗る | 「Google 認定」などの名称でGoogleを装うことを禁止例に挙げている | 業者自身の営業表示なので、士業の広告規程で判断するものではない |
| こちらの確認なしにプロフィールを更新する | オーナーの同意なしに対象物を変更または無効化することは禁止 | 自分の名前で出る表示を把握できない状態になる |
口コミの依頼そのものは違反ではありません。頼み方と、守秘義務に触れない書き方があります。詳しくは士業は依頼者に口コミを頼んでいい?にまとめました。
任せてよい範囲
- 任せやすいもの。写真の追加、営業時間や属性の更新、カテゴリの設定、投稿の作成
- 自分で確認してから出すもの。口コミへの返信、事務所の説明文、実績や事例に関する記述
- 任せられないもの。依頼関係に触れる判断、規程に触れるかどうかの判断
口コミへの返信は、守秘義務との距離が近い部分です。返信の型と文例は士業の口コミ返信で扱っています。
契約前に確認すること
代行して投稿する、特典と引き換えに集める、という話が出たら断ってください。誰に、どういう文面で、何を渡して依頼するのかまで具体的に聞きます。
公開前に先生が見る、という順序を契約の段階で決めます。Googleのサードパーティポリシーも、プロフィールへのすべての変更と編集を顧客に通知するよう業者に求めています。
メインのオーナーは事務所のアカウント、業者には管理者で渡します。同じポリシーは、最終顧客が常に自身のプロフィールのオーナー権限を持てることを定めています。
権限の確認方法と、返ってこないときの手順はプロフィールの権限が他人のままにまとめました。
営業電話で持ちかけられた場合の判断はMEOの営業電話は本当?も参考にしてください。
- 業者が勝手にやったことでも、自分の責任になりますか
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業者が無断で行ったという事情だけでは、会員自身の規程違反の有無は決められません。問題となった表示と、費用の負担、承認や協力の経緯を整理したうえで、所属会にご確認ください。判断の枠組みとして、大阪司法書士会の規則5条と名古屋税理士会の細則6条が、規程に抵触する第三者の表示行為への利益供与や協力、関与を禁じています。
- 口コミを集める提案はすべて断るべきですか
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いいえ。口コミを依頼すること自体は違反ではありません。問題になるのは、代行して投稿する、見返りと引き換えにする、といったやり方です。誰にどう頼むのかを具体的に聞いて判断してください。
- 実績として依頼者の名前を出す提案を受けました
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広告の規程に、依頼者や委嘱者の表示と、取り扱った案件の表示を、文書や書面による同意がある場合を除いて禁じる定めがあります。同意の有無と、その形式まで確認してください。規程の内容は会ごとに異なります。
- 社労士や行政書士にも同じ制約がありますか
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今回確認した範囲では、第三者への協力を名指しで禁じる条文は見当たりませんでした。ただし広告に関する定めはあります。社会保険労務士会連合会の会則43条の4は誇大または虚偽の事項で相手方を欺くおそれがある広告を、行政書士職務基本規則17条は事実に合致しない内容や誤認のおそれのある内容の広告宣伝を禁じています。
- MEO業者に頼むこと自体をやめるべきですか
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そうは考えていません。写真や営業時間の更新、カテゴリの設定は任せやすい部分です。分けるべきなのは、依頼関係に触れる判断と、規程に触れるかどうかの判断です。ここは先生が持ってください。
まとめ
- 大阪司法書士会と名古屋税理士会の規程は、規程に抵触する第三者の表示行為への協力や関与を禁じている
- 口コミの代行投稿と見返り付きの収集は断る。依頼者名や取扱事案の掲載は、所属会の規程と必要な同意を確認する
- 上位表示保証や、Googleや関連会社を装う表示は、Googleのポリシーの禁止例
- 公開前に先生が文面を見る順序を、契約の段階で決めておく
- メインのオーナーは事務所、業者には管理者で渡す
自分の事務所で何をどこまでやるかは士業のMEOにまとめています。
士業の事情を踏まえた形での整備はGoogleマップ集客整備でお手伝いしています。
