Googleビジネスプロフィールの「通話数」は通話ボタンが押された回数で、電話がつながった件数でも、予約になった件数でもありません。電話での取りこぼしを知るには、店の側で着信と対応の結果を記録し、ボタンのクリック数とは別に数える必要があります。
この記事は、電話で予約や相談を受けている店舗・地域サービス事業者で、「出られなかった電話がどのくらいあるのか分からない」という方向けです。Googleの指標で分かること・分からないこと、取りこぼしの種類、2週間の受付記録の付け方、計算例、原因別の対策を説明します。Google公式ヘルプは2026年10月5日に確認しました。電話番号そのものが正しいか、別の店舗につながっていないかの照合は連絡先の点検で扱っています。ここでは、正しい番号にかかってきた電話を受けきれているかを確かめます。全体の位置づけは商品・予約・問い合わせの学習ガイドにまとめています。
Googleの指標で分かること、分からないこと
パフォーマンスのヘルプは、通話数を「ビジネスプロフィールの通話ボタンがクリックされた回数」と定義し、トラッキングには電話番号の追加が必要としています。また、パフォーマンスデータにはオーガニック検索結果とGoogle広告の両方の表示回数やユーザーの行動が含まれます。出典:パフォーマンスとインサイトを確認する(2026年10月5日確認)。
さらに、プロフィールの通話履歴機能は2024年7月31日に終了しています。プロフィールから利用者の通話履歴を確認することはできず、引き続き電話を受けることと、ウェブへのアクセスやルート検索などの指標を確認することはできると説明されています。出典:チャットと通話履歴に対する変更(同日確認)。
| 知りたいこと | Googleのパフォーマンスで分かるか | どこで確かめるか |
|---|---|---|
| 通話ボタンが押された回数 | 分かる | パフォーマンス画面 |
| 実際に着信した件数 | 分からない | 電話機・電話サービスの着信履歴 |
| 出られなかった件数 | 分からない | 不在着信の履歴、受付記録 |
| 電話から予約になった件数 | 分からない | 予約台帳、受付記録 |
| かけてきた人がプロフィールを見たか | 分からない | 受付時の聞き取り(答えてもらえた場合のみ) |
ボタンを押しても発信をやめる人、プロフィールで番号を見て別の電話からかける人もいるため、クリック数と着信数は一致しません。両者を割り算して「接続率」を出すことは避けてください。
取りこぼしには種類がある
以下は当社の整理です。種類によって対策が違うので、まとめて「取りこぼし」と数えず分けて記録します。
| 種類 | 起きている状態 | 主な対策の方向 |
|---|---|---|
| 時間外の着信 | 営業時間外・電話受付時間外にかかってきた | 受付時間の表示、予約リンクなど時間外の入口 |
| 営業中の不在・話し中 | 施術中・接客中・別の電話中で出られなかった | 折り返しの仕組み、出られない時間帯の体制 |
| つながったが用件を受けられない | 担当者不在、料金や空き状況を答えられなかった | 受付メモ、よくある質問への答えの共有 |
| 対象外の問い合わせ | 提供していないサービス、対応地域外 | プロフィールとサイトで対応範囲を明確にする |
| 営業・自動の電話 | 営業の電話、Googleからの確認の自動通話など | 集計から外す。見分け方を受付担当と共有する |
Googleは、営業時間などの確認のために自動通話やテキストメッセージで連絡することがあり、支払い情報やパスワードを尋ねることはなく、掲載維持を理由に金銭を求める電話はすべて詐欺だと明記しています。出典:Googleからビジネスへの自動通話またはテキストメッセージについて(同日確認)。営業電話への対応はMEOの営業電話を参照してください。
2週間の受付記録を付ける
ここからは当社の提案する手順です。まず期間を決めて、すべての着信を同じ形式で記録します。2週間はあくまで目安で、曜日ごとの傾向を2回ずつ見られる長さとして提案しています。着信が少ない店は期間を延ばしてください。
| 記録する欄 | 書き方 |
|---|---|
| 日時 | 着信の日付と時刻 |
| 状態 | 応答/不在/話し中/時間外 |
| 折り返し | した・しない、連絡がついたか |
| 用件 | 予約、料金の質問、場所の質問、対象外、営業など |
| 結果 | 予約になった、検討中、対象外、不明 |
| 何を見たか | 聞けた場合のみ。答えがなければ「不明」 |
着信と不在の件数は、電話機や電話サービスの着信履歴から書き写せる場合が多いはずです。どこまで履歴が残るかは機器や契約によって違うので、記録を始める前に確かめておきます。「何を見たか」は、聞きすぎると受付の負担になるため、予約が決まった後などに一言だけ聞く程度にとどめます。
計算例:どこで取りこぼしているかを読む
以下は計算方法を説明するための架空の例です。業界平均や当社の支援実績ではありません。予約制の整体院が2週間記録した結果、営業・自動の電話を除いて次のようになったとします。
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 着信の合計 | 40件 |
| 応答できた | 28件 |
| 不在・話し中(営業時間内) | 9件 |
| 時間外 | 3件 |
| 不在・話し中・時間外のうち、折り返しで連絡がついた | 5件 |
出られなかった電話は9件+3件=12件で、着信全体の12÷40=30%です。そのうち5件は折り返しで連絡がついたので、連絡がつかないまま終わった電話は12件−5件=7件になります。この7件が、記録期間中の取りこぼし候補です。
次に、時刻を見ます。仮に営業時間内の不在9件のうち7件が平日の17時から19時に集中していれば、その時間帯は施術が重なって電話に出られない、という仮説が立ちます。対策は人を増やすことだけではありません。その時間帯は予約リンクへの案内を強める、折り返しの時間を決めて留守番電話で伝える、といった方法もあります。
同じ2週間のプロフィールの通話数が仮に30回だったとしても、着信40件と比べて「プロフィール経由は75%」とは言えません。通話ボタンを押した人と実際にかけてきた人は同じ集団ではないからです。件数が少ない記録では、次の2週間も同じ割合になるとは限らない点にも注意してください。
原因別の対策
- 時間外の着信が多い:営業時間と電話の受付時間が違う場合、どちらを表示しているかを確認する。営業時間の設定の考え方は営業時間の設定へ。時間外でも予約できる入口として、予約リンクを用意する
- 特定の時間帯に不在が集中する:折り返しのルール(誰が、何時までに)を決め、留守番電話で折り返しの目安を伝える。プロフィールにはメインの電話番号に加えて最大2件の電話番号を入力できる(プロフィールを編集する)が、追加の番号がお客さまにどう表示されるかは公開画面で確認してから運用を決める。ガイドラインは個々の拠点に直接つながる番号を求めており、実際の拠点と異なる場所へ送る番号は使えない(ガイドライン)
- つながっても答えられない:よく聞かれる料金・空き状況・駐車場などの答えを受付メモにまとめ、プロフィールと自社サイトにも載せる。設計の方法は質問対応と問い合わせ経路の設計へ
- 対象外の問い合わせが多い:サービスの範囲や対応地域が伝わっていない可能性がある。サービスの登録やサービス提供地域を見直す
- 電話を受けられない業態:電話番号は[ビジネスプロフィールの設定]→[詳細設定]で非表示にできる(編集のヘルプ)。非表示にする場合は、予約リンクやウェブサイトなど、ほかの連絡手段が確実に機能していることが前提になる
テキストメッセージやWhatsAppでの連絡をプロフィールに追加する機能もありますが、現在は一部の地域のみで利用でき、自店のプロフィールで使えない場合があります(ユーザーとチャットする)。
記録を月次の振り返りにつなぐ
2週間の記録で傾向が分かったら、毎日の詳細な記録をやめ、月ごとに「着信・不在・折り返し・予約」の4つだけを数える形に軽くしても構いません。対策を入れたら、同じ長さの期間でもう一度記録し、不在の件数や時間帯の偏りが変わったかを比べます。
月次の振り返りでは、プロフィールの通話数と店の記録を並べて置き、割り算はせずにそれぞれの増減を見ます。並べ方の例はMEOの運用、目標の置き方は目標とKPIの決め方、指標の定義はパフォーマンスの見方で確認してください。全体の順番は商品・予約・問い合わせの学習ガイドに戻って確認できます。
