出張修理や清掃を頼む前のお客さまが知りたいのは、「うちまで来てもらえるか」「いつ来られるか」「最終的にいくらになるか」の3つです。特に料金は、「○○円〜」の最低額だけを見せると、訪問後の見積もりとの差がトラブルの原因になります。対応地域、訪問の条件、料金の決まり方を、依頼の前に読める形で出しておきます。
この記事は、水回り・鍵・家電の修理、ハウスクリーニング、害虫駆除など、お客さまの所へ出向くサービスの事業者の方向けです。Google、国民生活センター、消費者庁の公式情報は2026年10月5日に確認しました。事業者の例はすべて架空です。店舗を持たない事業の住所とサービス提供地域の設定は非店舗型とサービス提供地域で詳しく説明しているので、先に読んでおくと理解しやすくなります。MEO全体の学び方はMEOの学習ガイドにあります。
対応地域:実際に行ける範囲で設定する
Googleのガイドラインは、店舗を持たないビジネスのサービス提供地域について、拠点から車で2時間以内の範囲を目安としています(ビジネス情報のガイドライン)。これは上限の目安で、その範囲すべてを登録すべきという意味ではありません。
当社は、次の2つを分けて考えることをおすすめします。
- いつでも行ける地域:通常の出張費で、通常の日程で行ける市区町村。プロフィールのサービス提供地域にはここを入れる
- 条件つきで行ける地域:追加の出張費がかかる、日程が限られる地域。自社サイトの対応地域のページに条件と一緒に書く
プロフィールの地域と、電話で「その地域は行けません」と断る地域が食い違っていると、お客さまにも事業者にも無駄な手間が生まれます。地域の決め方の記録シートは非店舗型とサービス提供地域にあります。
料金:最低額だけを見せない
国民生活センターは、水回り修理などで「950円〜」のような安い表示を見て事業者を呼んだところ、数十万円を請求されたという相談が多いとして注意を呼びかけています。トイレの詰まりで「料金390円から」という広告を見て頼んだところ、最終的に約55万円の契約書を渡された事例も紹介されています(国民生活センター 2021年10月7日公表)。
消費者庁の特定商取引法ガイドは、チラシで「鍵の修理3,000円〜」と見て修理を頼み、実際には数万円を請求された場合について、表示額と請求額に相当な開きがあるため、消費者が自分から訪問を「請求した」とはいえず、訪問販売の規定の適用除外にはならないという考え方を示しています(訪問販売等の適用除外に関するQ&A)。表示と実際の請求の差が大きいと、お客さまの信頼を損ねるだけでなく、法律上の扱いにも関わります。
当社は、料金を次の要素に分けて示すことをおすすめします。
| 要素 | 書き方の例(架空) |
|---|---|
| 出張費 | ○○市内は無料、△△市は1,000円 |
| 見積もり | 現地での見積もりは無料。見積もり後にお断りいただいても費用はかかりません |
| 作業別の目安 | 壁掛けエアコンの清掃(お掃除機能なし)12,000円、お掃除機能付き20,000円 |
| 上がる条件 | 高所作業、部品交換、夜間・休日の作業は追加料金。金額は作業前にお伝えします |
| 追加作業の扱い | 見積もりにない作業は、お客さまの同意なしに行いません |
| キャンセル | 前日までのキャンセルは無料 |
プロフィールのサービス欄や説明文にすべては書けないため、要点だけを書き、詳しい料金表は自社サイトに置いてリンクします。説明文の書き方は説明文の書き方にあります。
訪問の条件:当日困ることを先に伝える
訪問した後に「作業できない」と分かると、お客さまの時間も出張の手間も無駄になります。依頼の前に伝えておきたい条件です(当社の整理)。
- 到着時刻の決め方(時間帯指定か、前日に連絡するか)
- 駐車場が必要か、ない場合の駐車料金の扱い
- 作業中の立ち会いが必要か
- 対応しない機種、建物、作業(例:業務用エアコン、賃貸の共用部分)
- 支払い方法(現金のみか、カードや振込が使えるか)
- 作業前後の写真を撮るか、撮った写真をどう使うか
営業時間:受付時間と作業時間を分ける
出張型の事業では、電話を受ける時間と、訪問して作業する時間が違うことがよくあります。プロフィールの営業時間は、お客さまが連絡して対応を受けられる時間として設定し、作業できる時間帯は説明文や自社サイトで補います(当社の提案)。24時間の受付をうたう場合は、夜間に本当に電話がつながるか、夜間料金がいくらかを必ず書きます。営業時間の設定の種類は営業時間の設定で説明しています。
写真:作業の様子と、来る人を見せる
店舗のないサービスでは、外観の写真の代わりに、作業の様子、使う道具、車両、スタッフの写真が判断材料になります(当社の提案)。作業前後の写真を載せる場合は、お客さまの同意を取り、表札、住所、家族写真など、家が特定される物が写っていないか確かめます。撮影の注意は写真の撮り方と載せ方にあります。
架空例:一人で営むエアコン清掃
ある架空のエアコン清掃の事業者は、プロフィールのサービス提供地域に県内の全市町村を入れ、説明文には「エアコン清掃8,000円〜」とだけ書いていました。依頼の電話では「この地域まで来てもらえるか」「うちの機種はいくらか」の質問が大半で、遠方の依頼を断ることも多くありました。
事業者は次のように直しました。
- サービス提供地域を、通常の出張費で行ける市区町村に絞った。それ以外の地域は自社サイトに「出張費1,500円で対応、平日のみ」と書いた
- 説明文の料金を「お掃除機能なし12,000円、お掃除機能付き20,000円。現地で見積もり、追加作業は事前に金額をお伝えします」に替えた
- 機種の型番を写真で送ってもらえば事前に見積もる方法を、自社サイトに書いた
- 作業中の写真と、使う洗浄機材の写真を追加した
効果は、地域外で断った電話の件数と、見積もり後に断られた件数を毎月記録して比べることにしました。
点検の順番
- サービス提供地域が、通常の条件で行ける範囲になっているか
- 料金が、出張費・見積もり・作業別の目安・上がる条件に分けて示されているか
- 訪問の条件(時間、駐車場、立ち会い、対応しない作業)が書かれているか
- 受付時間と作業時間の違いが伝わるか
- 作業前後の写真に、お客さまの家が特定される物が写っていないか
オーナー確認で動画を求められた場合の撮り方はオーナー確認動画の撮り方にあります。他の業種での判断の違いは、飲食店、美容室・サロン、医療・治療院の記事で比べられます。全体の学習順はMEOの学習ガイドに戻って確認してください。
この分野の全体像と読む順は、業種別の適用・判断例の学習ガイドにまとめています。
