病院・診療所、鍼灸院や整骨院などの施術所、資格を必要としない整体やリラクゼーションでは、表示について確認するルールがそれぞれ違います。まず自分がどれに当たるかを分け、該当する国の指針で「書いてはいけないこと」を確かめてから、プロフィールの説明や写真、口コミへの返信を整えます。
この記事は、医療機関、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう(以下「あはき」)や柔道整復の施術所、無資格で行う整体などの事業者の方向けです。厚生労働省の指針を2026年10月5日に確認し、指針の記述と当社の提案を分けて書きました。この記事は法的な判断を示すものではありません。個別の表現が許されるかは、所管の保健所などに確認してください。MEO全体の学び方はMEOの学習ガイドにあります。
まず、どの区分に当たるかを分ける
| 区分 | 主な根拠 | 確認する国の指針 |
|---|---|---|
| 病院・診療所 | 医療法 | 医療広告等ガイドライン(令和8年3月30日最終改正) |
| あはき・柔道整復の施術所 | あはき師法第7条、柔道整復師法第24条 | あはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月18日) |
| 資格を必要としない施術(整体、リラクゼーションなど) | 景品表示法などの関連法令 | 同じあはき・柔整広告ガイドラインの「無資格者の行為に関する広告について」(第Ⅶ章) |
あはき・柔整広告ガイドラインは、国家資格を持たない人による行為(資格を持つ人が資格外の行為をする場合を含む)を「無資格者」と呼び、その広告の在り方も定めています。整体院が「鍼灸院と同じルールでよい」「ルールがない」と考えるのはどちらも誤りです。指針とリーフレットは厚生労働省のページにまとまっています(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師について、医療広告規制について)。
「広告」に当たるかの考え方
指針はどちらも、広告に当たるかを要件で判断するとしています。
- 医療:患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)、医師や医療機関の名称が特定できること(特定性)などの要件をすべて満たすと広告に当たる。医療機関のウェブサイトも規制の対象で、一定の条件を満たした場合に広告できる事項の限定が解除される(医療広告等ガイドライン 第1・第2)
- あはき・柔整:誘引性、特定性、一般人が認知できる状態にあること(認知性)の3つをすべて満たすと広告に当たる。施術所のウェブサイトは原則として広告に当たらないが、バナー広告、検索結果の有料の上位表示、公開範囲が限られていないSNSの書き込みなどは、要件を満たせば広告として扱う(あはき・柔整広告ガイドライン Ⅱ、Ⅵ)
Googleのビジネスプロフィールの説明や投稿がどの区分に当たるかを、名指しで示した記述は、今回確認した範囲の指針には見当たりませんでした。当社は、プロフィールは利用者を誘引する目的で多くの人が見る場所なので、広告と同じ基準で書くことをおすすめします。判断に迷う表現は書かないのが安全です。
指針が「書かない」としている具体例
指針に挙がっている例のうち、プロフィールで起きやすいものを抜き出しました。
| 区分 | 指針が示す内容 | 出典の箇所 |
|---|---|---|
| 医療 | 患者等の主観や伝聞に基づく、治療等の内容や効果に関する体験談の広告はできない | 医療広告等ガイドライン 第3-1(6) |
| 医療 | 治療等の内容や効果について誤認させるおそれがある術前・術後の写真。通常必要な治療内容、費用、主なリスク・副作用等の詳しい説明を付けた場合は、この禁止類型に当たらない。ただし広告可能事項の限定解除など別の条件も必要で、説明を付ければ常に掲載できるわけではない。説明をリンク先だけに置くことや、極端に小さく書くことも認められない | 同(7) |
| 医療 | 「今なら○円でキャンペーン実施中」のような費用を強調した広告は、品位を損ねる内容として行うべきでない | 同(8) |
| あはき・柔整 | 法で広告できる事項(施術者の氏名、業務の種類、施術所の名称・電話番号・所在地、施術日・時間、予約に基づく施術、休日・夜間の施術、出張による施術、駐車設備など)以外は広告できない | あはき・柔整広告ガイドライン Ⅲ |
| あはき・柔整(ウェブサイト等) | 「絶対に治る」「○○に効きます」などの表現、加工・修正した施術前後の写真、「口コミサイトで1位」などの比較優良の表現は掲載すべきでない | 同 Ⅵ-4 |
| あはき・柔整(ウェブサイト等) | ウェブマッピング等で、謝礼を払う、依頼するなどして、自院に都合のよいコメントを掲載させるべきでない | 同 Ⅵ-4(2) |
| 無資格者 | 国家資格が必要な業を行っていると誤認させる表示は不適切(写真や画像でも同じ)。「腰痛」「膝の痛み」などの痛みの症状、慢性の「肩こり・疲労」など常態的な症状に対する施術の表現は、広告やウェブサイト等に表現すべきでない | 同 Ⅶ-3(6) |
あはき・柔整広告ガイドラインは、施術所の名称について、医療機関と紛らわしい名称を使っていないことなど、利用者が正しく認識できる名称であることを求めています(同 Ⅰ-2(2)⑥)。
プロフィールの項目ごとの確認点
指針の内容を、プロフィールの項目に当てはめた当社の確認表です。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 名前 | 看板や届出の名称どおりか。症状名や効果をうたう言葉、医療機関と紛らわしい言葉を足していないか(店名・屋号の登録) |
| カテゴリ | 実際の業態どおりか。無資格の施術所が、鍼灸や整骨などの資格業のカテゴリを選んでいないか(カテゴリの選び方) |
| 説明・サービス | 効果、症状、体験談、比較の表現が入っていないか。あはき・柔整は広告できる事項の範囲か |
| 写真 | 施術前後の写真、病気が治ったことを連想させるイラストを使っていないか |
| 投稿 | キャンペーン価格の強調、症状への効果をうたう内容になっていないか |
| 口コミの依頼と返信 | 謝礼と引き換えに口コミを頼んでいないか。返信で受診や施術の内容、病状に触れていないか |
口コミへの返信は、公開の場で「ご来院いただき」「○○の症状が改善して」などと書くと、受診や施術の事実と内容を店側が公開することになります。当社は、受診の有無や症状に触れず、感謝と一般的な対応方針だけを書くことをおすすめします。口コミの依頼のルールは口コミの依頼はどこから違反か、事実と違う口コミへの対応は身に覚えのない口コミへの対処にあります。
書き直しの例(架空)
| 区分 | 書き直し前 | 書き直し後 |
|---|---|---|
| 鍼灸院 | 肩こり・腰痛に効く鍼灸。口コミ評価No.1。初回50%オフ | はり・きゅうの施術所です。予約制。土曜も施術しています。駐車場2台 |
| 整体(無資格) | 腰痛改善の整体院。国家資格者並みの技術 | 整体の店です。施術の内容と料金は店のサイトに載せています。国家資格を必要とする施術は行っていません |
| 診療所 | 患者さまの声「1回で痛みが消えました」 | (体験談は載せない)診療科目、診療時間、予約の方法を正確に書く |
鍼灸院の書き直し後は、あはき・柔整広告ガイドラインで広告できる事項(業務の種類、予約に基づく施術、休日の施術、駐車設備)に絞った例です。施術の内容や料金を説明したい場合、ウェブサイト等に載せる際も同指針の「掲載すべき事項」「掲載すべきでない事項」に沿う必要があります。
医師などの個別プロフィール
Googleのガイドラインは、医師などの専門家が、対外的に専門業務に従事し、確認済みの事業所で営業時間内に直接連絡できる場合に、個別のプロフィールを作れるとしています(ビジネス情報のガイドライン)。作る場合も、上の表示の確認点は同じです。院のプロフィールと内容が食い違わないよう、管理する担当者を決めておきます。
迷ったときの確認先
- 医療広告:医療機関を所管する自治体の窓口(厚生労働省の医療広告規制のページに案内がある)
- あはき・柔整、無資格者の広告:施術所を所管する保健所、所属する業団体
- 景品表示法(価格や比較の表示):消費者庁や都道府県の担当窓口
業者から「この表現で上位に出る」と提案されても、表示の責任は事業者にあります。あはき・柔整広告ガイドラインは、広告を行う者は施術所等が自らの責任で行う必要があるとしています(同 Ⅰ-2(3))。士業の場合の考え方は士業のMEO、他の業種は美容室・サロンなどの記事で比べられます。全体の学習順はMEOの学習ガイドに戻って確認してください。
この分野の全体像と読む順は、業種別の適用・判断例の学習ガイドにまとめています。
