お客さまが地図で店を見つけてから到着するまでを「発見→適合→比較→行動→到着」の5段階に分けて考えると、どこで迷わせているかを点検しやすくなります。ただしこれは調べるための仮の枠組みです。実際の人は段階を飛ばしたり、行き来したりします。
この記事は、プロフィールを整えたのに予約や来店につながっている実感がない店舗・地域サービス事業者向けです。読み終えると、自店の入口から到着までを自分でたどり、途中で離れる原因の候補を挙げ、直す順番を決められます。新規客と既存客の使い方の違いは新規客と既存客で変わる地図の使われ方で扱い、ここでは主に店を知らない人の流れを掘り下げます。
5段階は、一本道の実測ではなく点検用の仮説
「何%の人が比較段階で離脱する」といった、業種を問わず使える測定値はありません。Googleのパフォーマンス画面でも、ある人がプロフィールを見た後に何をしたかを一人ずつ追うことはできません。そこで、お客さまの頭の中の問いを段階に分け、それぞれの問いに自店の情報が答えているかを確かめます。
| 段階 | お客さまの問い(仮説) | 主に答える情報 | 答えられないと起きること |
|---|---|---|---|
| 発見 | 近くに候補はあるか | カテゴリ、店名、場所 | 候補に入らない |
| 適合 | 自分の用件に対応しているか | サービス内容、対応範囲、営業時間 | 条件が分からず候補から外す |
| 比較 | 他の候補と比べてどうか | 料金、写真、口コミ、所要時間 | 判断材料の多い店を選ぶ |
| 行動 | どうやって申し込むか | 電話番号、予約ページ、受付時間 | 手順で迷い、後回しにする |
| 到着 | 迷わず着けるか、迎えてもらえるか | 地図ピン、入口、駐車場、訪問時の連絡 | 来店直前に迷う、時間に遅れる |
比較の段階を通らない人もいます。急ぎの修理なら「対応していて今すぐ来てくれる」と分かった時点で電話することもあるでしょう。逆に高額なサービスなら、比較と適合の確認を何日も繰り返すかもしれません。自店のお客さまがどちらに近いかを、受付で聞かれる質問から推測しておきます。
プロフィールと予約ページは、役割が違う
プロフィールは主に発見・適合・比較の入口です。限られた表示の中で「何の店で、自分の用件に合いそうか」を伝えます。一方、料金の内訳、キャンセル規定、予約できるメニューの違いなど、長い説明が必要なものはリンク先のサイトや予約ページが担います。
問題が起きやすいのは、この受け渡しの部分です。プロフィールで「カット」を見て予約ページに進んだのに、予約画面のメニュー名が違って選べない。サイトのトップページにしかリンクがなく、予約の入口を探し回る。こうした段差は、プロフィールだけ、サイトだけを点検していると見つかりません。必ず入口から申し込み完了の手前まで続けてたどります。
架空例1:駅近の定食店で、夜の利用が増えない
以下は説明のための架空の例です。昼は満席になる定食店が、夜の来店を増やしたいと考えています。店主が自分のスマホで5段階をたどると、次のことが分かりました。
- 発見:今回の検索条件では「駅名+定食」で表示される。ほかの地点や時間でも十分に見つかるかは別途確認する
- 適合:夜にアルコールを出すこと、夜だけの一品料理があることがどこにも書かれていない
- 比較:写真が昼の定食ばかりで、夜の雰囲気が伝わらない
- 行動:夜は予約できるが、予約は電話のみ。その説明がない
- 到着:ビルの2階で、夜は1階の看板が暗く入口が分かりにくい
この点検で分かった課題は「夜に使える店だと伝わっていない」ことです。発見の段階にも不足がないかは、検索条件や実際の問い合わせの傾向から引き続き確かめます。最初の作業は、夜の営業内容を説明に加えることと、夜の外観・入口の写真を撮ることになります。
架空例2:網戸・障子の張り替えの出張サービス
こちらも架空の例です。来店のない出張型では、「到着」は店側がお客さまの家に行く段階になり、問いが変わります。
- 適合:自分の地域に来てもらえるか、何枚から頼めるか
- 比較:出張費を含めた総額、作業日までの日数
- 行動:見積もりのために写真を送るのか、訪問して測るのか
- 到着:訪問時間の連絡方法、駐車場所の相談
この事業者の受付記録を見ると、問い合わせの後に「出張費が別だと思わなかった」と断られる件が目立っていました。適合・比較の段階で総額の考え方を説明していないことが、行動の後で表れた形です。離脱の原因は、離脱が起きた段階より前にあることがあります。
途中で離れる原因を調べる3つの方法
数字だけで原因を断定せず、性質の違う3つの材料を突き合わせます。
- 自分でたどる:店の外で、スマホから、初めての人のつもりで検索から申し込みの手前まで進みます。店の事務所のパソコンでは、日頃の閲覧状況などで見え方が違う可能性があります。
- 受付の声を集める:電話で聞かれた質問、予約の取り消し理由、来店時の「分かりにくかった」を記録します。同じ質問の繰り返しは、どこかの段階で答えが欠けている兆候です。
- 数字の変化を見る:プロフィールのウェブサイトクリックや通話ボタンのクリック、予約ページの訪問数などを月ごとに並べます。指標の意味と限界はパフォーマンスの見方で確認し、クリック数を来店数と読み替えないようにします。
たとえば、サイトへのクリックは増えているのに予約が増えないなら、行動の段階(予約ページ)を先に疑います。ただし、それは調べる順番の目安で、原因の確定ではありません。自分でたどる点検で裏付けを取ってから直します。
実地点検表
月に一度、または情報を変更した直後に、次の表で点検します。「確認できた」の判断は当社の編集上の目安です。
| 段階 | 点検のしかた | 確認できた状態 | 記録すること |
|---|---|---|---|
| 発見 | お客さまが使いそうな語で、店の外から検索する | 検索語・場所・日時を残した上で、表示の有無を確認 | 検索条件と見えた結果 |
| 適合 | 主力サービスの対応可否をプロフィールだけで判断できるか試す | 電話せずに「自分の用件に対応している」と分かる | 判断できなかった項目 |
| 比較 | 料金・所要時間・写真を、比較相手と並べて見る | 総額の目安と雰囲気が想像できる | 不足している判断材料 |
| 行動 | リンクや電話から、申し込み完了の手前まで進む | メニュー名が一致し、迷わず進める | 迷った画面と理由 |
| 到着 | 地図の案内どおりに歩く・運転する。出張型は訪問前の連絡手順を確認 | 入口や駐車場で迷わない | 目印になる写真の要否 |
よくある失敗
- 発見の段階ばかり改善する:表示を増やす作業に集中して、適合・行動の段階の欠けを放置すると、見られても選ばれない状態が続きます。
- リンク先を確かめない:プロフィールの情報を変えたのに、サイトの料金や営業時間が古いまま、という食い違いが起きます。
- 1回の点検で終える:メニュー改定や季節の営業時間変更のたびに、行動と到着の段階が崩れやすくなります。
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どこから来るお客さまを想定するかは商圏と対応範囲の調べ方で、比較の段階で並べられる相手の調べ方は競合調査の進め方で扱っています。写真で比較・到着の段階を補うなら写真の撮り方と載せ方へ。分野全体の順番はMEOで考える集客設計に戻って確認してください。
