来店したお客さまとの関係を続けるなら、Googleマップや予約サイトなどの媒体は「まだ店を知らない人に見つけてもらい、判断してもらう場所」、LINE公式アカウントは「一度来た人と、次の予約や来店の約束をする場所」と分けて使います。役割が違うため、片方を整えてももう片方の代わりにはなりません。LINEでは、友だち追加の時に何を送るかを伝え、送る回数に上限を決め、来店の間隔に合わせた案内を少数作るところから始めます。
この記事は、来店型・予約制・出張型の店舗で、LINE公式アカウントを開設済みか検討中の方向けです。「配信すると嫌がられないか」「何を送ればよいか」「Googleマップの対策とどう分ければよいか」に答えます。LINE公式アカウントの機能と料金はLINEヤフーの公式情報、Googleの仕様は公式ヘルプで、いずれも2026年10月5日に確認しました。ステップ配信そのものの設計はステップ配信とはで詳しく扱っています。
媒体とLINEの役割を分ける
| Googleビジネスプロフィール | 予約サイト・地域ポータル | LINE公式アカウント | |
|---|---|---|---|
| 主な相手 | 検索や地図で店を探している人 | その媒体の中で店を探している人 | 友だち追加した人(店頭や予約時に追加してもらう設計なら、来店・予約を経験した人が中心になる) |
| 店がすること | 営業時間・連絡先・写真を正しく保ち、口コミに返信する | 空き枠・料金・条件を正しく掲載する | 予約の確認、次回の目安、休業や空き枠の連絡 |
| 知っておく制約 | プロフィールのチャットは2024年7月31日に終了。ソーシャルリンクに追加できるのはFacebook・Instagram・LinkedIn・Pinterest・TikTok・X・YouTubeで、LINEは一覧にない | お客さまの情報をどこまで使えるかは、各媒体の規約で確認する | 送った回数×人数で通数が数えられ、料金プランごとに上限がある |
出典:Google ビジネス プロフィールのチャットと通話履歴に対する変更、ソーシャル メディアのリンクを管理する(いずれも2026年10月5日確認。ソーシャルリンクは一部の地域でのみ利用可能と案内されています)。
そのため、GBPからLINEへ直接つなぐ専用の欄は、今回確認した範囲では見当たりません。当社の提案は、友だち追加の入口を「店頭のQRコード」「会計時の声かけ」「予約完了画面」「自社サイトの店舗ページ」に置き、GBPのウェブサイト欄からは店舗ページへ案内する形です。GBPで見つけた人は店舗ページで詳しく確かめ、来店後にLINEでつながる、という順番になります。
友だち追加の時に、何を送るかを伝える
LINEヤフーはLINE公式アカウントガイドラインで、配信について「ユーザーが不快に感じることはないか」を重視するとし、利用者が不快・迷惑と思う内容の配信を禁止事項に挙げています。違反と判断されると、コンテンツの削除やサービスの提供停止などの措置がありえます。また、一度配信したメッセージは店側でも削除・修正ができません。
当社の提案は、友だち追加をお願いする場面で、送る内容と回数を先に伝えることです。たとえば、架空の美容室なら次のような一文です。
「ご予約の確認と、次回のご来店の目安をお送りします。お知らせは月2回までです。不要になったらいつでもブロックしてください。」
一斉のお知らせと個別の予約連絡を区別し、約束した頻度を守ります。
LINEの表示名を顧客台帳の氏名や来店履歴と結び付けて管理する場合は、個人情報の扱いにも注意が要ります。個人情報保護法は、個人情報を取得したら、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに利用目的を本人に通知するか公表することを求め(第21条第1項)、特定した利用目的の範囲を超える取り扱いや、個人データの第三者への提供には、原則としてあらかじめ本人の同意を必要としています(第18条第1項・第27条第1項)。出典:個人情報保護委員会 ガイドライン(通則編)。LINE公式アカウント利用規約の第8条も、アカウントの利用で利用者から得た情報は運営に必要な範囲でのみ収集・使用し、個人情報保護法などの法令を守ることを求めています(いずれも同日確認)。店のプライバシーポリシーに「予約の確認と来店のご案内にLINEを使う」ことを書いておく、というのが当社の提案です。
GBPの予約リンクにLINEなどのメッセージサービスのURLを入れることはできません(ビジネスリンクに関するポリシー)。
口コミの依頼をLINEで送ることもできますが、満足していそうな人だけに送ったり、クーポンと引き換えにしたりするとGoogleのポリシーに触れます。全員に同じ案内を送る方法は口コミを無理なく依頼する導線、禁止例は口コミ依頼の違反ラインで確認してください。
配信の上限を、通数と相手の負担から決める
LINE公式アカウントの料金プラン(同日確認)によると、通数は「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」で数えます。一斉配信(絞り込み配信・ステップ配信を含む)は通数に入り、チャットの送受信、応答メッセージ、あいさつメッセージは入りません。
| プラン | 月額固定費(税別) | 無料メッセージ | 追加メッセージ |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 不可 |
| ライトプラン | 5,000円 | 5,000通 | 不可 |
| スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通 | 〜3円/通(配信数で単価が変わる) |
架空の計算例です。友だちが80人の店が月2回の一斉配信をすると160通で、無料の200通に収まります。友だちが250人になると、月1回でも250通で200通を超えます。実際には配信対象の人数で数え、ブロックしている友だちには配信されません。人数が増えたらプランを変えるか、送る相手を絞る必要があります。属性(年齢・性別・地域など)で絞り込むには、ターゲットリーチ数が100人以上必要で、属性はLINEの利用動向から推定した値です(絞り込み配信について)。少人数の店では、属性での絞り込みに頼れない場合があります。
回数について、LINEヤフーの公式情報に「月に何回まで」という基準は見当たりませんでした。当社の提案は、一斉配信は月1〜2回を上限に始め、分析画面の[友だち]で毎月のブロック数を確認して、配信した月にブロックが増えていれば回数か内容を見直すことです。[友だち]では友だち追加数・ターゲットリーチ・ブロック数と、追加経路ごとの追加とブロックを確認できます。ただし、プライバシーの観点から、追加経路の表示では1日に20以上の友だち追加がない日の数値は表示されません(分析 - 友だち)。
予約・再来店・来店間隔の案内を組む
来店後に送るメッセージは、性質の違う3種類に分けて考えると整理しやすくなります。
- 予約の確認:予約した本人だけに送る連絡。チャットや予約システムの通知で個別に送る
- 次回の目安:前回の来店から一定の日数がたった人への案内
- 全員へのお知らせ:休業日、季節のメニュー、空き枠など
LINE公式アカウントのステップ配信は、友だち追加したユーザーに、追加してからの日数や属性に合わせて自動でメッセージを送る機能で、配信分は通数に数えられます。公式マニュアルには、店頭のQRコードで友だち追加された数日〜数週間後にクーポンを送るテンプレートも紹介されています。ここで起点になるのは友だち追加の日です。初回来店時に追加した人なら初回からの日数になりますが、2回目以降の来店日を起点に送りたい場合は、予約システムのリマインド機能や、外部の配信ツールとの連携を検討することになります。連携の例はUTAGEとLINEの連携で紹介しています。
「次回の目安」は、業種の一般論ではなく自店の記録から決めます。予約台帳から、同じお客さまの前回と今回の来店日の差を数件拾い、真ん中の値を目安にします。以下はすべて説明用の架空例です。
| 業種(架空) | 台帳から出した間隔 | 案内のタイミング(提案) | 送る内容 |
|---|---|---|---|
| 美容室 | 35・40・42・49・63日の真ん中=42日 | 前回から35日前後 | 翌週以降の空き枠と予約ページ |
| 整体院 | 14日前後 | 施術時に次回を決め、前日に確認 | 予約日時の確認と変更方法 |
| 飲食店 | 人によりばらつきが大きい | 間隔では送らず、季節メニューの開始時 | 開始日と提供時間 |
| エアコン清掃(出張) | 多くが年1回 | 前年の作業月の1か月前 | 予約の受付開始と料金 |
業種によって使える機能も違います。LINE公式アカウントの「LINEで予約」は飲食店を対象とし、連携する予約サービスを使っている店が導入できるサービスです(LINEで予約)。飲食店以外では、予約は自店の予約ページへのリンクで受ける形が基本になります。来店のたびにポイントを付けるショップカードは、ポイント付与用のQRコードを管理画面から取得でき、初期設定では同じ日に同じお客さまへポイントを重ねて付けられません(いずれも同日確認)。ポイントや特典は来店や利用に対して付けるもので、口コミの投稿と結び付けてはいけません。
媒体とLINEを、記録でつなぐ
GBPのパフォーマンスで分かるのは、プロフィール上で起きた行動までです。LINEで関係を続けた結果は、店の予約台帳に「LINEから予約」の列を作らないと見えません。台帳の列とGoogleの指標との照合のしかたは電話・来店・予約の記録を照合する方法で説明しています。
月に1回、次の4つを並べて残すのが当社の提案です。
- 友だち追加数(店頭QR・予約完了画面など、追加経路ごと)
- ブロック数と、その月に送った一斉配信の回数
- 予約台帳の「LINEから予約」の件数
- 次回の目安を送った人のうち、その後2か月以内に来店した人数
架空の例で、次回の目安を20人に送り、2か月以内に7人が来店したなら35%(7÷20)です。ただし、案内がなくても来た人が含まれるため、この割合を案内の効果そのものとは読めません。送り方を変えた月と比べる時の目安として使ってください。
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