観光・体験・宿泊の予約サイトと、Googleのプロフィール、自社の予約ページは、競合するものではなく役割の違う入口です。大切なのは、旅行者が各入口の料金やキャンセル条件を正しく確認して予約でき、空き枠が二重に売れない状態を作ることです。手数料や掲載条件は媒体と契約ごとに違うため、この記事では一般論で断定せず、確認すべき項目を示します。
この記事は、体験教室、ツアー、観光施設、宿泊施設などで、予約サイトとGoogleの両方を使っている、または使うか迷っている方向けです。Googleと観光庁の公式情報は2026年10月5日に確認しました。例はすべて架空です。旅行者が情報を得る流れは外国人旅行者はどう店を探すか、MEO全体はMEOの学習ガイドにあります。
旅行者は複数の情報源を使っている
観光庁の2025年の調査では、訪日外国人が出発前に役に立った情報源として、SNS(43.3%)や動画サイト(39.6%)が上位で、旅行会社ホームページ11.8%、宿泊施設ホームページ11.1%、口コミサイト11.0%、宿泊予約サイト10.5%が続きます(訪日外国人の消費動向 2025年年次報告書、23ページ、複数回答)。一つの媒体だけで旅行者に届くわけではない、という前提で入口を考えます。
Googleにある予約の入口(公式情報)
Googleには業種によって異なる予約の入口があります。自分の業種が対象かを確かめずに「どの店でも使える」と考えないことが大切です。
| 入口 | 対象と仕組み | 出典 |
|---|---|---|
| プロフィールに追加する予約などのリンク | 予約、席の確保、料理や商品の注文などのリンクを追加できる。ただしすべての業種がすべてのリンクを使えるわけではない(例:美容院は予約は可、オンライン注文のリンクは対象外)。外部の事業者がリンクを自動表示することもあり、削除を求められる | ビジネスリンクのポリシー、ローカルビジネスリンク |
| おすすめスポット(Things to do) | 観光スポット、ツアー、アクティビティの事業者向け。無料リスティングと広告の両方がある。小規模な事業者は認定の接続パートナー経由での参加が推奨されている | Google のおすすめスポットのご紹介 |
| ホテルの無料の予約リンク | ホテル検索の予約モジュールに、ホテル広告と並んで表示されるリンク。費用はかからない | 無料の予約リンク |
| ホテル料金のプロフィールからの入力 | 2025年7月30日以降、ビジネスプロフィールからホテル料金を追加できなくなった。料金を表示し続けるには、予約エンジンなどのパートナーとの連携が必要と案内されている | Hotel Center のお知らせ |
宿泊施設のプロフィール全体の整え方は宿泊・観光施設の予約情報で扱います。
3つの入口の役割を分ける
以下は当社の整理です。どれが優れているかではなく、それぞれが担う役割を確認するための表です。
| 入口 | 旅行者にとっての役割 | 店にとっての役割 | 確かめること |
|---|---|---|---|
| 予約サイト(体験・宿泊の予約媒体) | 他の候補と比べる、慣れた画面と言語で予約する | 店を知らない人に見つけてもらう | 手数料、掲載条件、キャンセル規定の扱い、顧客情報の扱い |
| Googleのプロフィール | 場所、営業時間、口コミを確かめて決める | 名前を知った人の確認先、近くで探す人の候補になる | 予約ボタンの行き先、営業時間、表示されている料金の出どころ |
| 自社の予約ページ | 店の詳しい説明を読んで予約する | 条件を自分で書ける。顧客と直接つながる | 外国語の案内、予約の確定までの分かりやすさ |
予約サイトの手数料、掲載順位の決まり方、価格の設定に関する条件は、媒体と契約ごとに異なり、変更もあります。「どの媒体が高い・安い」を一般論で判断せず、自店の契約書と管理画面で確かめてください。
契約前・見直し時に確かめる項目
当社が提案する確認表です。わからない項目は、媒体の担当窓口に書面で確認します。
- 手数料:予約1件あたりか、売上の割合か。キャンセル時の扱い
- 価格の決まり:他の媒体や自社ページとの価格の揃え方について条件があるか
- キャンセル規定:店の規定がそのまま表示されるか、媒体の規定が優先されるか
- 枠の管理:空き枠は自動で連携されるか、手作業で調整するか
- 顧客情報:予約者の連絡先を店が受け取れるか、使える範囲はどこまでか
- 口コミ:口コミがどこに表示され、店が返信できるか
- Googleへの表示:媒体がGoogleに予約リンクを自動で出すか、止められるか
二重予約と入口の散らかりを防ぐ
複数の入口を使うと、次のような問題が起きやすくなります(当社の整理)。
| 起きること | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 同じ時間枠に2組の予約が入る | 媒体ごとに枠を手で管理している | 枠の正本を1つ決め、他の入口の枠は正本から配る |
| プロフィールの予約ボタンが、もう使っていない媒体につながる | 外部の事業者が自動でリンクを表示している | 使っていないリンクの削除を依頼する |
| 媒体によって料金や内容が違って見える | 更新するときに一部の媒体を直し忘れる | 料金・内容を変えるときの更新先一覧を作る |
| 当日の連絡がつかない | 予約者の連絡先が媒体側にしかない | 緊急時の連絡方法を予約案内に書く |
架空例:陶芸体験の工房
ある架空の陶芸体験工房は、体験予約サイト2つと電話で予約を受けていました。訪日客が増えたころ、同じ時間に予約が重なることが月に何度か起き、Googleのプロフィールの予約ボタンが、以前使っていた予約サイトにつながっていることも分かりました。
工房は次の順で整理しました。
- 空き枠の正本を、自社の予約システムに決めた
- 体験予約サイトとの枠の連携方法を各社に確認し、自動連携できない媒体には少ない枠だけを渡すことにした
- 使っていない媒体の予約リンクの削除を依頼し、自社の予約ページを優先リンクにした
- 料金、所要時間、キャンセル規定を一覧にし、変更時はすべての入口を同じ日に直すことにした
どの媒体を残すかは、媒体ごとの予約数と、手数料を差し引いた売上を数か月記録してから決めることにしました。媒体の数字の扱い方は目標とKPIの決め方、媒体ごとの役割の考え方は集客手段の役割分担が参考になります。
プロフィール側で整えること
- 予約ボタンが、今使っている予約先につながっているか確かめる(連絡先と予約リンクの点検)
- 説明文に、予約の方法と予約なしで参加できるかを書く
- 体験の流れや会場の入口が分かる写真を載せる
- 外国語の予約案内を自社サイトに用意し、そこへつなぐ(外国語の予約案内)
全体の学習順はMEOの学習ガイドに戻って確認してください。
この分野の全体像と読む順は、インバウンド・多言語・利用しやすさの学習ガイドにまとめています。
