結論から書きます。解約は契約書だけの話ではありません。Googleのサードパーティポリシーが、業者側に「最終顧客がサービスの利用を終了する手続きは、簡単なものでなければなりません」と求めています。契約書に何と書いてあっても、この要件は別に存在します。
- Googleが業者に求めている解約時の対応
- クーリングオフが使えるかどうか
- 権限とプロフィールを取り戻す手順と、相談先
Googleのポリシーと法令は公的な資料で確認しました(2026年9月16日時点)。ただし個別の契約がどうなるかは、契約書の内容と経緯で変わります。実際の判断は弁護士にご相談ください。
先に2つ確認する
動き出す前に、手元で分かることがあります。あわせて、解約を伝えるときは契約所定の方法で解約希望日と権限の移管を依頼し、通知の内容と送付の記録、相手からの返信を保存してください。
- 契約書の解約条項。契約期間、中途解約の可否、通知の方法と時期、違約金の定め
- プロフィールの権限が誰にあるか。管理画面の設定にある「ユーザーとアクセス権」で、メインのオーナーが自社か業者かを見ます
2つ目が先に分かると、解約後にプロフィールが手元に残るかどうかの見通しが立ちます。開き方と、権限が返ってこないときの手順はプロフィールの権限が他人のままにまとめました。
Googleが業者に求めていること
ビジネスプロフィールのサードパーティポリシーは、代理店やSEO会社などがクライアントのプロフィールを管理するときのルールを定めています。解約に直接関わる部分を挙げます。
| 場面 | ポリシーの記述 |
|---|---|
| 解約の手続き | 最終顧客がサービスの利用を終了する手続きは、簡単なものでなければならない |
| 解約後の対応 | 通知を受け取ってから7営業日以内に、管理サービスとの関連付けを解除し、顧客がアカウントの排他的な管理を取り戻せるよう取り計らう |
| オーナー権限 | すべての最終顧客は、常に自身のビジネスプロフィールのオーナー権限または共同オーナー権限を持てる |
| プロフィールの変更 | すべての変更と編集について最終顧客に通知する。オーナーの同意なしに対象物を変更または無効化することは禁止 |
| 申請の同意 | プロフィールを申請し管理するには明示的な同意が必要。口頭による同意は適切ではない |
これは業者に向けたルールです。守らせる強制力が利用者にあるわけではありませんが、交渉の材料にはなります。ポリシーは、違反とみなされた場合にGoogleから連絡して是正を求めることがある、とも書いています。
同意なくプロフィールを変更された、解約を申し出ても権限を返さない。こうした場合はサードパーティ ポリシー違反の報告からGoogleへ連絡できます。報告すれば必ず解決するとは書かれていませんが、契約の当事者どうしで止まっている状態を動かす経路のひとつです。
クーリングオフは原則使えない
特定商取引に関する法律26条1項1号は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売に該当するものでも、次の契約には前三節の規定を適用しないと定めています。
「売買契約又は役務提供契約で、…申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供」
MEOの契約は、事業者が営業のために結ぶものです。この条文に当たるため、クーリングオフの規定は原則として適用されません。電話勧誘で契約したから8日以内なら解除できる、という話にはならないと考えてください。
ただし、契約の実態がどう評価されるかは個別の事情によります。この記事で示せるのは条文の原則までです。自分の契約がどう扱われるかは、契約書を持って弁護士にご相談ください。
店名や情報を勝手に変えられた場合
解約の前後で起きやすいのが、店名の変更です。ポリシーは、すべての変更と編集について最終顧客に通知すること、オーナーの同意なしにプロフィールの対象物を変更または無効化することは禁止されていることを明記しています。
自社に権限が残っていれば、情報は自分で直せます。ガイドラインは、店舗やウェブサイト、ビジネスレターなどで一貫して使い顧客に認知されている実際の名称を使うよう求めています。検索対策のために付けられた語が入っているなら、その語を外す方向で直すことになります。
権限がなく直せない場合は、権限のリクエストと、ポリシー違反の報告を並行します。手順は権限の記事にまとめました。
どこに相談するか
| 相談先 | 扱う範囲 |
|---|---|
| Googleへの報告 | サードパーティポリシー違反の報告。契約自体の争いは扱わない |
| 弁護士 | 契約の解釈、違約金の妥当性、法的手段の判断 |
188にかければ解決する、という話ではありません。事業者が営業のために結んだ契約は、消費者トラブルの枠組みの外にあります。契約の中身で争うことになるなら、弁護士への相談が必要になります。
同じことを繰り返さないために
次に誰かへ管理を任せるときは、契約前に3点を決めておくと後が楽になります。
- メインのオーナーは自社のアカウントにする。業者には管理者で渡す
- 解約時に権限をどう戻すかを契約書に書く。ポリシーは7営業日以内に管理の関連付けを解いて返すことを求めているので、そこを基準にできます
- プロフィールの変更を事前に知らせてもらう。ポリシーもすべての変更の通知を業者に求めています
営業電話から契約に至った経緯そのものを見直したい場合はMEOの営業電話は本当?もあわせてご覧ください。
- 電話勧誘で契約したのでクーリングオフできますか
-
原則としてできません。特定商取引法26条1項1号は、営業のためにまたは営業として締結する契約を適用除外にしています。MEOの契約は事業者が営業のために結ぶものなので、この条文に当たります。ただし契約の実態がどう評価されるかは個別の事情によるため、判断は弁護士にご相談ください。
- 解約を伝えたのに権限を返してもらえません
-
Googleのサードパーティポリシーは、最終顧客からの通知を受け取ってから7営業日以内に、管理サービスとの関連付けを解除し、顧客がアカウントの排他的な管理を取り戻せるよう取り計らうことを業者に求めています。またオーナー権限は常に最終顧客が持てるとされています。相手が応じない場合は、サードパーティ ポリシー違反の報告からGoogleへ連絡できます。並行して、アクセス権限のリクエストも送れます。
- 店名を勝手に変えられました
-
ポリシーは、すべての変更と編集について最終顧客に通知すること、オーナーの同意なしにプロフィールの対象物を変更または無効化することは禁止されていることを明記しています。権限が自社にあれば自分で直せます。権限がない場合は、権限のリクエストとポリシー違反の報告を並行してください。
- 違約金を請求されています
-
金額が妥当かどうかは契約書の内容と経緯によります。次の契約に向けた相場観はMEO対策の費用相場にまとめました。契約書の解約条項を手元に用意して、弁護士に相談してください。
- Googleに報告すれば解約できますか
-
契約そのものはGoogleの扱う範囲ではありません。報告できるのは、同意のない変更や権限を返さないといったサードパーティポリシーへの違反です。ポリシーは、違反とみなされた場合にGoogleから連絡して是正を求めることがあると書いていますが、解約や返金を実現する手続きではありません。
まとめ
- Googleのポリシーは、解約手続きが簡単であることと、通知から7営業日以内に管理の関連付けを解いて顧客に返すことを業者に求めている
- オーナー権限は常に自社が持てる。同意なしの変更や無効化は禁止されている
- クーリングオフは原則使えない。営業として締結する契約は適用除外
- 契約の中身で争うなら弁護士に相談する
- 次はメインのオーナーを自社にし、権限の返し方を契約書に書いておく
解約後のプロフィールを整え直すところからお手伝いできます。Googleマップ集客整備をご覧ください。
