- ヒートマップで何が分かるのか
- 3種類のヒートマップの見方
- LPで特に見るべき4つのポイント
- 無料から始めるツールの選び方と注意点
- ヒートマップをLP改善に活かす方法
「LPのどこが読まれ、どこで離脱しているのか」——それを色で可視化してくれるのがヒートマップです。数字だけでは見えないユーザーの行動が一目で分かり、改善の手がかりになります。
この記事では、ヒートマップの見方とLP改善への活かし方を解説します。LP全体の改善はLP(ランディングページ)とは?をご覧ください。
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ヒートマップとは
ヒートマップとは、ユーザーの行動を色の濃淡で可視化するツールです。よく見られている箇所は暖色、見られていない箇所は寒色で表示されるため、直感的にユーザーの関心を把握できます。
3種類のヒートマップ
| 種類 | 分かること |
|---|---|
| スクロールヒートマップ | どこまで読まれているか(離脱ライン) |
| クリックヒートマップ | どこがクリックされているか |
| アテンションヒートマップ | どこが熟読されているか(滞在) |
たとえばスクロールヒートマップで急に色が薄くなる箇所は、多くの人が離脱するポイント。クリックヒートマップでボタン以外がクリックされていれば、そこがリンクだと誤解されているサインです。
もうひとつ押さえておきたいのが、スマホのタッチアクションです。ツールによっては、タップした位置に加えて、指で素早くスクロールした区間(フリック)や、指を止めてじっくり見ていた区間まで記録できます。LPは広告・SNS経由の流入が中心になるためスマホからの閲覧が多数派になりやすく、PCの表示だけを見て判断すると実態を取り違えます。ヒートマップを開いたら、まずデバイスの切り替えでスマホ側を確認する——この順番を習慣にしてください。
ヒートマップは「どこで問題が起きているか」を絞り込み、原因の仮説を立てる材料になります。CVRという結果の数字だけでは分からない、改善すべき箇所の特定に使いましょう。
LPのヒートマップで見るべき4つのポイント
ヒートマップは眺めるだけでは気づきになりません。LPの場合、見る場所はほぼ4つに絞れます。この順番で確認すると、改善すべき箇所が短時間で見つかります。
1. ファーストビューの離脱率
最初に見るのはスクロールヒートマップの上部です。ファーストビュー(ページを開いて最初に見える範囲)の直下で到達率が急に落ちていれば、「開いた瞬間に自分向けではないと判断された」可能性があります。流入元とのミスマッチや表示速度など別の要因もあり得るため断定はできませんが、有力な仮説候補です。ここでの離脱はページ全体の成果に直結するため、優先度は常に最上位になります。
典型的な打ち手は、キャッチコピーを「誰の・どんな悩みを・どう解決するか」が一読で分かる表現に変えること、画像の主役を商品からベネフィットが伝わる場面に差し替えること、ファーストビューが縦に長すぎてスクロールの手がかりが見えない状態を解消することです。具体的な構成要素はLPのファーストビューに入れるべき5つの必須要素で整理しています。
2. CTAボタン周辺の行動
次にCTAボタン(申込・問い合わせなどの行動を促すボタン)の周辺を、スクロールとクリックの両方で確認します。ここで切り分けたいのは「ボタンまで到達しているのに押されていない」のか、「そもそも到達していない」のかという2つの状態です。原因が違えば打ち手も変わります。
到達しているのに押されていないなら、ボタン文言が行動を想像しにくい、押した後に何が起きるか不安、といった理由が考えられます。到達していないなら、ボタンの位置が下すぎるか、手前のコンテンツが長すぎる可能性が高く、中間位置にもボタンを追加する対応が有効です。ボタン自体の作り方はCTAボタンとは?クリック率を高める文言・色・配置の作り方を参考にしてください。
3. 熟読エリアと訴求のズレ
アテンションヒートマップで、最も熟読されているブロックを確認します。ここで見たいのは「読まれている場所」と「自社が一番伝えたい訴求」が一致しているかどうかです。ズレていれば、ユーザーの関心と売り手の主張が噛み合っていない状態です。
たとえば料金表やよくある質問ばかりが熟読されているなら、価格や条件の不安が意思決定の中心にある可能性があります。その仮説が立つ場合は、実績やこだわりの説明を増やすよりも、料金の内訳や解約条件を先に明示するほうが効きます。読まれているブロックを上部へ移動するだけでも、体感が変わることは珍しくありません。
4. 離脱直前のエリア
スクロールヒートマップで到達率が落ち込む地点を特定したら、その「直前」に何が置かれているかを見ます。離脱の原因が、離脱した場所そのものではなく手前のコンテンツにあるケースもあるため、落ち込み地点だけでなく手前の内容も原因候補として確認します。
よくあるのは、長い会社紹介、専門用語の多い説明、唐突なフォームなどです。順番を入れ替える、要約を先に置く、入力項目を減らすといった対応で到達率は動きます。離脱の原因分類と対策はLPの離脱率を下げる方法|原因の特定と改善策で詳しく解説しています。
ヒートマップ改善サイクルの回し方
ヒートマップの価値は、見た内容を改善のサイクルに乗せて初めて出ます。以下の5ステップを1周として、月単位で回していくのが現実的な運用です。
スクロールヒートマップで多くの人が離脱している箇所、クリックが集中している箇所、よく読まれている部分を確認します。そのうえで「ここでこう思われているのではないか」と、原因を言葉にしておきます。
仮説が複数出たら、影響が大きい順に並べます。基本はファーストビューとCTA周辺が先。ページ下部の細かな文言修正は、上流を直してから着手したほうが効率的です。
1周で変える箇所は絞ります。関心の高い内容を上部に持ってくる、誤クリックされる箇所を整理する、といった単位で実行します。改善施策の考え方はCVR改善の方法|LPの成果を伸ばす施策と優先順位が参考になります。
変更前後を比べられる状態にして、成果が本当に動いたかを確認します。訪問数が十分にあるLPならLPのABテストのやり方|進め方と失敗しない注意点の手順で検証し、少ない場合は期間を区切った前後比較で代用します。
改善後に同じ画面をもう一度見て、狙った箇所の到達率やクリックが変化したかを確かめます。あわせて、CVRなどの主要な成果指標も必ず別に確認してください。狙った行動が変わっても成果が動いていない場合は、仮説を立て直す判断材料になります。
この5ステップを止めずに続けられるかどうかが、成果の分かれ目です。あわせて、いつ・どこを・なぜ変えたのかを1行でよいので記録に残してください。記録がないと、数ヶ月後に「なぜこの構成なのか」が分からなくなり、同じ検証を繰り返すことになります。公開後の運用体制の作り方はLP公開後の運用と改善|成果を伸ばす効果測定サイクルにまとめています。
無料から始めるヒートマップツールの選び方
結論から言えば、最初は無料ツールで十分です。ヒートマップは「導入すること」ではなく「読んで改善に使うこと」に価値があるため、まず無料で計測を始め、運用が回り始めてから有料ツールを検討する順番が失敗しません。
代表的な無料の選択肢としては、クリック・スクロールに加えてセッションの録画(実際の操作の再生)まで無料で使えるMicrosoft Clarity、日本語で扱いやすく無料枠のあるUser Heatなどが知られています。有料ツールは計測できるPV数の上限が大きく、ABテスト機能やユーザー属性での絞り込みに対応しているものが多いのが特徴です。料金やプラン内容は変わりやすいため、導入前に公式サイトで最新の条件を確認してください。
選ぶときのチェックポイント
比較すべき点は多くありません。次の4つを満たしていれば、LP改善の用途では困りません。
- スクロール・クリック・録画の3つが揃っているか
- 月間のPV(計測できるページビュー数)上限が自社の流入量に足りるか
- スマホの計測に対応し、デバイス別に切り替えて見られるか
- GTM(Googleタグマネージャー)などでタグを設置でき、導入が重くないか
録画機能を軽く見ないでください。ヒートマップの色は多くの人の行動を平均した結果ですが、録画は1人の動きをそのまま追えます。「フォームの特定の項目で止まって離脱した」「同じ箇所を何度も往復している」といった、色では潰れてしまう情報が拾えるため、離脱の原因が読み切れないときの決め手になります。まずヒートマップで当たりをつけ、その画面の録画を数本見る、という流れが効率的です。
特に見落としがちなのがPV上限です。上限の単位(月間の計測量か、1枚のヒートマップに表示できる量か)や、超えたときの挙動(計測が止まる・一部が表示されない等)はツールとプランによって異なります。広告を配信して流入が増えるタイミングで影響が出やすいので、出稿計画とあわせて各ツールの仕様を確認しておくと安心です。
沖縄拠点・全国リモート対応で支援している当社でも、LP改善の初期診断は無料ツールの計測から始めることが少なくありません。まず現状を見える化することが先で、ツールへの投資はその後で判断すれば十分です。
ヒートマップ分析の注意点
便利な一方で、読み方を誤ると改善が空回りします。実務で特に効いてくる3点を挙げます。
アクセスが少ないと「模様」は占いになる
ヒートマップの色は、少ないアクセスでもそれらしく表示されます。数十セッション程度で出た色の濃淡は、たまたま来た数人の行動を映しているだけということが起こります。判断材料にするには、ある程度のセッションが溜まるまで待つことが前提です。
流入が少ないLPでは、期間を長めに取る、平日と休日を分けずにまとめて見る、といった工夫で母数を確保します。それでも足りない場合は、ヒートマップより先に集客量そのものを増やすほうが優先順位は上です。
ヒートマップは仮説の材料であって答えではない
「ここで離脱している」は事実ですが、「なぜ離脱したか」はヒートマップには写りません。原因は読み手が推測するしかなく、その推測が当たっているかは施策と検証で確かめる必要があります。色を見た時点で結論を出さず、必ず仮説として扱ってください。
仮説の精度を上げたいなら、社内の営業担当に「問い合わせ時によく聞かれること」を確認するのが近道です。ヒートマップで熟読されている箇所と、実際に聞かれる質問が一致していれば、その論点が意思決定の壁だと判断できます。データと現場の声を突き合わせるほど、外れた施策を打つ回数は減っていきます。
ページ単体では流入前後の文脈が見えない
ヒートマップは1ページの中の行動しか示しません。どの広告・どの検索キーワードから来た人なのか、離脱後にどこへ行ったのかは分かりません。同じLPでも流入元が変われば行動は変わるため、GA4などのアクセス解析と併用し、流入別の成果と重ねて読むことが欠かせません。
実際、東京の研修会社の支援では、こうした行動データを起点に改善の論点を絞ったことで、LP改善のPDCAを2ヶ月に1回から1ヶ月に1回へ短縮できました。ヒートマップ単独の効果ではありませんが、「どこを直すか」で迷う時間が減ることは、サイクルの速度に直結します。
自社のLPがどの段階でつまずいているかを整理したい場合は、Web集客ドック(無料チェックリスト)で現状を確認してみてください。
- ヒートマップは無料で使えますか?無料ツールだけで十分でしょうか?
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無料プランのあるツールもあり、LP改善の用途であれば無料ツールだけでも十分に判断できます。導入は計測タグを設置するだけで、専門知識がなくても始められます。流入がツールの計測上限に収まらなくなったり、ABテスト機能が必要になったりした段階で、有料プランを検討するのがおすすめです。上限の単位や超過時の挙動はツールごとに異なるため、公式サイトで確認してください。
- どのくらいの期間データを貯めてから見るべきですか?
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期間よりも、溜まったセッション数で判断してください。数十セッションでは偶然の偏りが色に出てしまいます。流入の多いLPなら1〜2週間、少ないLPなら1ヶ月程度を目安に、色の傾向が安定してから読み始めると誤読を避けられます。
- ヒートマップとGA4の違いは何ですか?
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GA4は「どこから何人来て、どれだけ成果が出たか」という量を数字で把握するツール、ヒートマップは「そのページの中でどう振る舞ったか」を可視化するツールです。役割が違うため、GA4で成果の悪いページを見つけ、ヒートマップで問題箇所を絞り込んで原因の仮説を立てる、という使い分けが基本になります。
- ヒートマップだけで改善できますか?
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ヒートマップは「どこに問題があるか」を教えてくれますが、「どう直すか」は別途考える必要があります。アクセス解析やABテストと組み合わせると、改善の精度が上がります。
まとめ
ヒートマップは、ユーザー行動を可視化してLP改善を助けるツールです。ポイントを整理します。
- スクロール・クリック・アテンションの3種類で行動が分かる
- LPで見るべきはFV・CTA周辺・熟読エリア・離脱直前の4か所
- 問題が起きている箇所を絞り込み、原因仮説を立てる材料にする
- ツールは無料から始め、PV上限とスマホ計測を確認して選ぶ
- データ量が足りないうちは判断材料にしない
- 気づきから仮説を立て、改善・検証を繰り返す
「ヒートマップを入れたが、どう読めばいいか分からない」という場合は、分析から改善提案まで一緒に進めると効果的です。マーケティングサポートでは、データ分析を含むLPO支援を伴走してご提供します。お気軽にご相談ください。
